《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
こういう過去を二人の間に通り抜けて来ているのですから、精神的に向上心のないものは馬鹿だという言葉は、Kに取って痛いに違いなかったのです。しかし前にもいった通り、私はこの一言で、彼が折角(せっかく)積み上げた過去を蹴散(けち)らしたつもりではありません。かえってそれを今まで通り積み重ねて行かせようとしたのです。それが道に達しようが、天に届こうが、私は構いません。私はただKが急に生活の方向を転換して、私の利害と衝突するのを恐れたのです。要するに私の言葉は単なる利己心の発現でした。
正因为我们之间有着这样的过去,所以‘在精神上没有上进心的人,就是蠢才’这句话,一定会深深刺痛K的心的。但是正如前面也说过的,我说这句话的本意,并非是想拆毁他苦心累积起来的过去。相反的,倒是要他仍象以前一样继续累积下去。完成道义也罢,到达天堂也罢。这都与我无关。我顾忌的只是他突然改变生活方向,同我发生了利害冲突。总之,我的话完全是自私心的爆发。
「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」
‘在精神上没有上进心的人,就是蠢才。’
私は二度同じ言葉を繰り返しました。そうして、その言葉がKの上にどう影響するかを見詰めていました。
我又把同样的话重复了一遍,然后便仔细察看这句话会对他产生什么影响。
「馬鹿だ」とやがてKが答えました。「僕は馬鹿だ」
‘蠢才’,他停了一下,又答道:‘我就是蠢才。’
Kはぴたりとそこへ立ち留(ど)まったまま動きません。彼は地面の上を見詰めています。私は思わずぎょっとしました。私にはKがその刹那(せつな)に居直(いなお)り強盗のごとく感ぜられたのです。しかしそれにしては彼の声がいかにも力に乏しいという事に気が付きました。私は彼の眼遣(めづか)いを参考にしたかったのですが、彼は最後まで私の顔を見ないのです。そうして、徐々(そろそろ)とまた歩き出しました。
他忽然停在这里不动了,低头望着地面。我不由得吃了一惊,仿佛觉得他一瞬间,由小偷变成了强盗似的蛮横起来。但是,我终于发现他的声音是多么软弱无力。我想再看看他的眼神,他却一直没有看我,又慢慢地走了起来。
主播介绍本期主播:酥饼
本期编辑:晋助
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