《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。
「一週間ばかりして私(わたくし)はまたKとお嬢さんがいっしょに話している室(へや)を通り抜けました。その時お嬢さんは私の顔を見るや否(いな)や笑い出しました。
“约莫过了一个星期,我又穿过K和小姐正在一起谈话的房间。那时,小姐刚一瞧见我,就笑起来。
私はすぐ何がおかしいのかと聞けばよかったのでしょう。それをつい黙って自分の居間まで来てしまったのです。
我本可以马上问她一句笑什么,然而我却默默地进了自己的房间。
だからKもいつものように、今帰ったかと声を掛ける事ができなくなりました。お嬢さんはすぐ障子(しょうじ)を開けて茶の間へ入ったようでした。
因此K也没能象往常那样说声‘刚回来’,小姐似乎也立刻打开隔扇到茶室去了。
夕飯(ゆうめし)の時、お嬢さんは私を変な人だといいました。私はその時もなぜ変なのか聞かずにしまいました。
ただ奥さんが睨(にら)めるような眼をお嬢さんに向けるのに気が付いただけでした。
吃晚饭的时候,小姐说我是个怪人。那时我也没问怪在哪里,只注意到夫人向小姐瞪了一眼。
私は食後Kを散歩に連れ出しました。二人は伝通院(でんずういん)の裏手から植物園の通りをぐるりと廻(まわ)ってまた富坂(とみざか)の下へ出ました。
饭后,我带着K一同出去散步。两个人从传通院后门穿过植物园大街,又走下富坂。
散歩としては短い方ではありませんでしたが、その間(あいだ)に話した事は極(きわ)めて少なかったのです。性質からいうと、Kは私よりも無口な男でした。私も多弁な方ではなかったのです。
要说散步,时间可不算短,可是其间很少谈话。按性格,K比我更不爱说话,而我也不是个健谈的人。
しかし私は歩きながら、できるだけ話を彼に仕掛(しか)けてみました。私の問題はおもに二人の下宿している家族についてでした。
可我一边散步,一边尽量找话跟他说。我谈的主要是我们寄居的这个家庭。
私は奥さんやお嬢さんを彼がどう見ているか知りたかったのです。ところが彼は海のものとも山のものとも見分(みわ)けの付かないような返事ばかりするのです。しかもその返事は要領を得ないくせに、極めて簡単でした。
我很想知道他对夫人和小姐的看法。然而他的回答总是模棱两可,使人不得要领而又极为简单。
彼は二人の女に関してよりも、専攻の学科の方に多くの注意を払っているように見えました。
仿佛他比关心这两个女人,更为关心的是专攻的学科。
もっともそれは二学年目の試験が目の前に逼(せま)っている頃(ころ)でしたから、普通の人間の立場から見て、彼の方が学生らしい学生だったのでしょう。その上彼はシュエデンボルグがどうだとかこうだとかいって、無学な私を驚かせました。
第二学年的考试马上就要到了,所以在一般人看来,他真象个用功的学生。况且他讲起斯腾堡滔滔不绝,使才疏学浅的我惊讶不已。
主播介绍
本期主播:草微
本期编辑:LMN
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