【日语共读】《心》夏目漱石(72)


       《心》讲述的是“先生”结识并爱上了房东家的小姐,同时也赢得了房东太太的好感,但却因年少时曾受到叔父的欺诈而对他人时存戒心,迟迟不能表白自己的心意。后来,“先生”的好友K住进了房东家里,也爱上了小姐,直率的K向好友“先生"表白了自己的心事,“先生”在表面上批评K“不求上进”,背地里却偷偷地向房东太太提出要和小姐结婚。知道了这一切真相之后的K在绝望中自杀了,同时K的死也留给“先生”一生的不安和自责,婚后的“先生”一直无法忘却K,他的内心无比的寂寞,终于也走上了自杀的道路。



   私は暇乞(いとまご)いをする時先生夫婦に述べた通り、それから三日目の汽車で東京を立って国へ帰った。この冬以来父の病気について先生から色々の注意を受けた私は、一番心配しなければならない地位にありながら、どういうものか、それが大して苦にならなかった。私はむしろ父がいなくなったあとの母を想像して気の毒に思った。そのくらいだから私は心のどこかで、父はすでに亡くなるべきものと覚悟していたに違いなかった。九州にいる兄へやった手紙のなかにも、私は父の到底(とても)故(もと)のような健康体になる見込みのない事を述べた。一度などは職務の都合もあろうが、できるなら繰り合せてこの夏ぐらい一度顔だけでも見に帰ったらどうだとまで書いた。その上年寄が二人ぎりで田舎にいるのは定(さだ)めて心細いだろう、我々も子として遺憾(いかん)の至(いた)りであるというような感傷的な文句さえ使った。私は実際心に浮ぶままを書いた。けれども書いたあとの気分は書いた時とは違っていた。


   正如跟先生夫妇告别时说过的,三天后,我乘火车离开东京,回故乡去了。这年冬天以来,先生对于父亲的病情,给我讲了许多注意事项。虽然我处的地位应该是最该担心的,然而不知怎地,却没觉得有多大痛苦。我倒是想象着父亲去世后的母亲怪可怜的。想来我的内心,一定觉得父亲已经是要故去的人了。在给九州的哥哥的信中,我也说过父亲到底没有康复的可能了。在给九州的哥哥的信中,我也说过父亲到底没有康复的可能了,并希望他尽量腾出时间,能在今年夏天回来见上一面也好。我甚至感伤地说,何况乡下只有两位老人,心里一定不安吧,叫我们做儿子的于心何忍呢。其实,我是一时心血来潮才这么写的。但是写过之后,心情又跟刚才不同了。


    私はそうした矛盾を汽車の中で考えた。考えているうちに自分が自分に気の変りやすい軽薄もののように思われて来た。私は不愉快になった。私はまた先生夫婦の事を想(おも)い浮べた。ことに二、三日前晩食(ばんめし)に呼ばれた時の会話を憶(おも)い出した。

   「どっちが先へ死ぬだろう」


    我在火车上琢磨着这种矛盾。想着想着,似乎觉得自己是个心情易变的轻薄之徒,不免苦恼起来。这时,我又想起先生夫妇,特别是两三天前请我吃完饭时的对话。

    “谁现实呢?”


      私はその晩先生と奥さんの間に起った疑問をひとり口の内で繰り返してみた。そうしてこの疑問には誰も自信をもって答える事ができないのだと思った。しかしどっちが先へ死ぬと判然(はっきり)分っていたならば、先生はどうするだろう。奥さんはどうするだろう。先生も奥さんも、今のような態度でいるより外(ほか)に仕方がないだろうと思った。(死に近づきつつある父を国元に控えながら、この私がどうする事もできないように)。私は人間を果敢(はか)ないものに観じた。人間のどうする事もできない持って生れた軽薄を、果敢ないものに観じた。


    我反复咀嚼着那晚在先生和夫人之间曾出现的疑问。我觉得他们对于这个问题,谁也不能做出有自信的回答。但是,倘若怎能知道谁先死的话,先生会怎样,夫人又会怎样呢?我想先生也罢,夫人也罢,除了现在的态度之外,也不会有其他吧(正如故乡的父亲等待着死亡的迫近,而我却毫无办法一样)。我把人生看成是无常的,把人的无所事事的天性轻薄,看成是虚幻的。




主播介绍

本期主播:66

本期编辑:LMN

责任编辑:日语之声

注:本节目仅用于分享和学习交流,不得转用和商用,内容版权归原作者所有。若有侵权,请在作品下方留言,我们会尽快删除。



©著作权归作者所有,转载或内容合作请联系作者
  • 序言:七十年代末,一起剥皮案震惊了整个滨河市,随后出现的几起案子,更是在滨河造成了极大的恐慌,老刑警刘岩,带你破解...
    沈念sama阅读 204,530评论 6 478
  • 序言:滨河连续发生了三起死亡事件,死亡现场离奇诡异,居然都是意外死亡,警方通过查阅死者的电脑和手机,发现死者居然都...
    沈念sama阅读 86,403评论 2 381
  • 文/潘晓璐 我一进店门,熙熙楼的掌柜王于贵愁眉苦脸地迎上来,“玉大人,你说我怎么就摊上这事。” “怎么了?”我有些...
    开封第一讲书人阅读 151,120评论 0 337
  • 文/不坏的土叔 我叫张陵,是天一观的道长。 经常有香客问我,道长,这世上最难降的妖魔是什么? 我笑而不...
    开封第一讲书人阅读 54,770评论 1 277
  • 正文 为了忘掉前任,我火速办了婚礼,结果婚礼上,老公的妹妹穿的比我还像新娘。我一直安慰自己,他们只是感情好,可当我...
    茶点故事阅读 63,758评论 5 367
  • 文/花漫 我一把揭开白布。 她就那样静静地躺着,像睡着了一般。 火红的嫁衣衬着肌肤如雪。 梳的纹丝不乱的头发上,一...
    开封第一讲书人阅读 48,649评论 1 281
  • 那天,我揣着相机与录音,去河边找鬼。 笑死,一个胖子当着我的面吹牛,可吹牛的内容都是我干的。 我是一名探鬼主播,决...
    沈念sama阅读 38,021评论 3 398
  • 文/苍兰香墨 我猛地睁开眼,长吁一口气:“原来是场噩梦啊……” “哼!你这毒妇竟也来了?” 一声冷哼从身侧响起,我...
    开封第一讲书人阅读 36,675评论 0 258
  • 序言:老挝万荣一对情侣失踪,失踪者是张志新(化名)和其女友刘颖,没想到半个月后,有当地人在树林里发现了一具尸体,经...
    沈念sama阅读 40,931评论 1 299
  • 正文 独居荒郊野岭守林人离奇死亡,尸身上长有42处带血的脓包…… 初始之章·张勋 以下内容为张勋视角 年9月15日...
    茶点故事阅读 35,659评论 2 321
  • 正文 我和宋清朗相恋三年,在试婚纱的时候发现自己被绿了。 大学时的朋友给我发了我未婚夫和他白月光在一起吃饭的照片。...
    茶点故事阅读 37,751评论 1 330
  • 序言:一个原本活蹦乱跳的男人离奇死亡,死状恐怖,灵堂内的尸体忽然破棺而出,到底是诈尸还是另有隐情,我是刑警宁泽,带...
    沈念sama阅读 33,410评论 4 321
  • 正文 年R本政府宣布,位于F岛的核电站,受9级特大地震影响,放射性物质发生泄漏。R本人自食恶果不足惜,却给世界环境...
    茶点故事阅读 39,004评论 3 307
  • 文/蒙蒙 一、第九天 我趴在偏房一处隐蔽的房顶上张望。 院中可真热闹,春花似锦、人声如沸。这庄子的主人今日做“春日...
    开封第一讲书人阅读 29,969评论 0 19
  • 文/苍兰香墨 我抬头看了看天上的太阳。三九已至,却和暖如春,着一层夹袄步出监牢的瞬间,已是汗流浃背。 一阵脚步声响...
    开封第一讲书人阅读 31,203评论 1 260
  • 我被黑心中介骗来泰国打工, 没想到刚下飞机就差点儿被人妖公主榨干…… 1. 我叫王不留,地道东北人。 一个月前我还...
    沈念sama阅读 45,042评论 2 350
  • 正文 我出身青楼,却偏偏与公主长得像,于是被迫代替她去往敌国和亲。 传闻我的和亲对象是个残疾皇子,可洞房花烛夜当晚...
    茶点故事阅读 42,493评论 2 343

推荐阅读更多精彩内容

  • 1.暗闇より夜魔来たる-1あなたはきっとこんな私をお許しにはならないでしょう…ですが、私はあなたを守る以外の何かを...
    波沙诺瓦阅读 3,250评论 0 7
  • 1.暗闇より夜魔来たる-1あなたはきっとこんな私をお許しにはならないでしょう…ですが、私はあなたを守る以外の何かを...
    波沙诺瓦阅读 1,916评论 1 2
  • 陽の光 闇の月 陽も月も異なれど、同じように地上を照らす。けれど、両者は決してまみえることはない。陽が輝くとき月は...
    波沙诺瓦阅读 2,243评论 0 7
  • 01 六月工作日的某一天下午,柳婶和儿子明昕决定驾车去看望侄女小莲。 小莲是柳婶堂弟的女儿。从小她就非常宠爱小莲,...
    桔子的子阅读 295评论 2 6
  • 心情不爽,这几天发现脸过敏了,还很奇怪,只有左半边,一到晚上就不敢照镜子,担心、忧虑、烦躁蜂拥而至,想发火,还是忍...
    人文亦云阅读 109评论 0 0