日本語をきれいに話す女性って素敵ですよね。「言霊」という言葉があるように、話し言葉には人柄がにじみ出ます。老若男女の心に沁み入る「大和言葉」を使いこなせば、これまでとは違った印象を与えるはず。
大和言葉とは?
日本には、外国から伝わった「漢語」「外来語」と、生粋の日本語である「大和言葉」があります。大和言葉に琴線がくすぐられるのは、日本の風土で生まれ育った言葉だからに他なりません。
たとえば、「はじめる」は大和言葉で、同じ意味の漢語は「開始」、外来語は「スタート」。大和言葉には、他の言葉にはない柔らかな響きがあることが分かります。
しかし残念なことに、最近は便利な漢語やおしゃれな外来語が主流になり、大和言葉が忘れられつつあります。せっかく美しい日本語があるのに、使わないのはもったいない!
大和言葉ならではの穏やかな表現は、コニュニケーションを円滑にする魔法の言葉。先人たちが築いた大切な文化を、今一度使いこなしてみませんか?
大和言葉では、心を動かされた時の思いを「胸」を使って表現することが多くあります。
ぐっと来た感じなら、「胸に迫る」
ずしんと来たなら、「胸を打つ」
じわじわ来たなら、「胸に染みる」
ひと口に「感動した」といっても、その程度や感じ方は人それぞれ。その繊細な表現を伝えられるのは、わびさびを大切にする大和言葉だからこそなんです。
安心した時には「胸をなでおろす」という言い方もあります。胸に手を当ててホッとしている様子が、言葉ひとつから目に浮かんできますね。
あふれる想いを伝える言葉
日常会話でしょっちゅう出てくる「すごく」「ものすごく」、砕けた言い方だと「超~」なんて言いまわしも、大和言葉にすると印象がガラリと変わります。
たとえば「このうえなく」という大和言葉。「このうえなく美味しい」「このうえなく綺麗」など、これより上がないという意味の、最上級の想いが込められます。
また愛情表現をする際は、「こよなく」という言葉が似合います。「こよなく愛している」「こよなく親しんだ」などという使い方をすると、想いに深みが出ますよね。
コミュニケーションを柔らかくする言葉
「待っています」よりも「心待ちにしています」の方が、言われた相手は嬉しく感じられるもの。言葉ひとつでさりげなく気遣いを表現できるのも、大和言葉の特性です。
また「相手に不快感を与えない」言いまわしも、大和言葉は得意です。たとえば、「妥協する」と言いたい時は「折り合う」、「暇があれば」は「お手すきの時に」に変換。
ビジネスでよく耳にする「恐れ入りますが・・」「不躾(ぶしつけ)ではありますが・・」も実は大和言葉なんですよ。自分を下げて相手を敬うという、日本人らしい丁寧な言いまわしです。
大和言葉をもっと知りたい!
その大和言葉ブームの火付け役となったのが、高橋こうじさんの『日本の大和言葉を美しく話す』という本です。2014年11月の発売後、24万部を超えるベストセラーに。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
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