このエッセイ集は正に作家になってから六年の集大成のような作品集だ。第一章は、チャットモンチー脱退直後から約一年半の間に執筆し、二〇一三年に毎日新聞社から出版した『思いつつ、嘆きつつ、走りつつ、』を再録したもので、日々の暮らしや音楽、大学時代、旅行記などを書いている。第二章はこの六年の間に雑誌や新聞に寄稿してきた随筆の中からよりすぐってまとめた。書くことを仕事にしたから開いた新しい扉だ。そして第三章は二〇一八年二月から五月の私の暮らしや思うことを書き下ろした最も新しい文章である。実際に書いている時間だけが「書く」ということではなかった。書くことは普段自分が何を見つめて生きているかということ、日常の集合体なのだと思う。今書いている瞬間にも過ぎていく膨大な「時」のどの部分を切り取り、どんな味付けにするのか。時を調理していく感覚もある。読み返してまだ三十六歳なのかということに驚いた。六十五歳になっていてもおかしくないのに。濃厚な冒険の日々だった。
这篇随笔是正式成为作家的六年来集大成的作品集。第一章是从恰萌奇退出后不久之后,一年半的时间里执笔的,2013年在每日新闻社出版的《一边思考、一边悲叹、一边走》一书再次登载,记录了每日的生活、音乐、大学时代、旅行游记等。第二章集中了这六年中给杂志、报纸投稿的随笔中较重要的文章。开始把写作当成工作这件事情开启了新的大门。接下来第三章记录下了我从2018年2月到5月的生活和思考的最新文章。实际上写作的时间里不仅仅只是“写”。我认为写作是平时的自己注重什么而活,是日常生活的集合体。写作过程中的瞬间,切割下过于巨大时间的哪个的部分,选择什么样的佐料呢?也是去整理时间的感觉。重新读,惊讶于自己已经36岁了。到65岁的时候会觉得那些浓厚的冒险的日子很可笑吧。
作者:高橋 久美子
书名:「いっぴきのあなたへ」
出处:『いっぴき』(ちくま文庫)の刊行に際して