そして虐待死。おそらく人は誰でも、自分より弱く小さい者に対する暴力的な衝動と、慎重に距離をとって生きている。一人では生きていけない命の全責任を負...
交通事故もおそろしい。事故を起こしたくて起こす人はいない。報道を見るたび、あれを起こしたのは私であってもおかしくなかったのだ、とちぢみあがる。あ...
政治家や著名人による差別的な発言には、私だって腹を立てる。私は女性というカテゴリーに属するので、女性を蔑視する発言にはそれなりに敏感だ。怒りや悲...
よく失敗する者として、他人の失敗が他人事とは思えない。被害が失敗した当人ひとりで完結するものならまだいい。よくはないが、しかたがない。しかし、誰...
このエッセイ集は正に作家になってから六年の集大成のような作品集だ。第一章は、チャットモンチー脱退直後から約一年半の間に執筆し、二〇一三年に毎日新...
一日の大半をぼんやりと過ごした。パン屋さんやラーメン屋さんで働く人々がとても輝いて見えた。深夜、えんぴつを尖らして、ノートとにらめっこして、断崖...
就職ガイダンスを一日で辞めて、三人で車中泊をしながら県外のライブハウスに出て、先生になるのを辞めてCDを作って、そしてついにデビューした。やがて...
ふり返ると、私は吹奏楽やバンドに熱を注いだ時期が長かったので、人生の半分以上をチーム戦で過ごしてきた。チャットモンチーで、ドラム・作詞家として活...
原作:高橋 久美子 本屋さんに行くとぞっとする。毎週毎週ものすごい数の新刊が並んで、もう自分なんて書く必要はないのだと思う。子供の頃からずっと本...