2018-06-05

日本の地理(にっぽんのちり)では、日本の地理についての概略を記す。

日本は、極東そして東アジアの沿岸沖に位置し、6,852の島で構成される島国である。[1]

島国すなわち領土がすべて島から成る国である日本で[2]、最大の島である本州は[3]、世界の島の中では面積が第7位である[4]。(*) 写真は日本列島

【参考】 極東・沿海部の島々。衛星画像 左から(北から)順に主なもの

コマンドルスキー諸島、千島列島、樺太島、日本列島、南西諸島、台湾、フィリピン諸島、ボルネオ島、スラウェシ島[5]。Photo by NASA's Blue Marble project (*) 左端はカムチャツカ半島

概略 編集

日本は、島国すなわち領土がすべて島から成る国である[2][3][6]。

日本の領土は、日本列島(本州・北海道・九州・四国などが主たる島)を中心に、南に延びる伊豆・小笠原諸島、南西に延びる南西諸島(沖縄本島が最大の島)、そして北東に位置する北方領土と、6,852の島から成っている[1][7]。

地理学上の分類ではないが、国土交通省は、日本を構成する6,852の島に「本土」と「離島」の2つの区分けを設けている。すなわち、北海道・本州・四国・九州・沖縄本島の5島を「本土」、これら5島を除く6,847島を「離島」としている[1][4]。

島国である日本は、ユーラシア大陸東端の極東・東アジアの沿岸沖、また太平洋北西の沿海部に位置し、全体として弧状列島を形成している。

この弓形状の日本の国土は、総面積が約37.8万km2で世界第61位である。その約70%が山岳地帯で、その約67%が森林である(国土面積は日本政府が領有権を主張する領域)。

日本は島国であるとともに、国土の約73%を山地が占める山国でもある。そのため日本の河川は流路延長に比し川床勾配が急で、大陸を流れる川と違い一気に流れ下る川が多い。しかも多雨地帯にある。したがって侵食力が強く山地では深いV字谷を、盆地や平野など山地からの出口には扇状地を発達させていることが多い。また河口付近には厚い堆積層からなる平野を形成している。中部地方から東北地方にかけては河岸段丘を発達させていることが多い。

世界的な地理学はヨーロッパ大陸やアメリカ大陸などを模式地として研究が進められてきた。そのため日本の実情と合わないこともある。たとえば台地もそのひとつである。日本で言う台地は扇状地や浅い海底が隆起したものであって洪積台地と分類されるものが大半を占めている。この詳細は台地を参照のこと。

日本周辺の海はひとつに繋がっているが、東側および南側が太平洋(ただし、日本ではほとんど用いないが、小笠原諸島以西の太平洋はフィリピン海と呼ぶのが世界的には普通である。)、北西側が日本海、西側が東シナ海、北東側がオホーツク海と呼ばれている。本州と四国の間の海は特に瀬戸内海と呼ばれており、多数の島々が点在する。海流について見てみると、日本列島の南側を黒潮(日本海流)と呼ばれる暖かい海流が流れている。北からやってくる親潮(千島海流)と三陸沖から常磐沖でぶつかって好漁場をつくっている。一方、黒潮の分流である対馬海流が対馬海峡から日本海に流れ込んでいる。

日本の気候は、列島の中央を縦走する山岳地帯を境に太平洋に面している地域と日本海に面している地域とで大きく異なる。北海道と本州の高原地帯が亜寒帯、南方諸島の一部は熱帯、それ以外の地域は温帯に属しているが、南北で気温差が大きい。

冬は、冷たい北西季節風が強く、日本海側は雪が多い。一方の太平洋側は、晴天に恵まれて空気の乾いた状態が続く。 気温の変化は次第に北上していき、冬から春、春から夏へと移り変わる。 長雨の時期である梅雨の後、晴れが多く高温多湿の夏を迎える。8月後半の残暑と入れ替わりに、秋雨と台風の季節を迎える。

※社会的な日本の区分や、生活に関する地域分類については、日本の地域を参照のこと。

位置 編集

日本列島と周辺の地形図

アジア(ユーラシア大陸)の東方(欧米から見れば極東)の沿海部にある4つの弧状列島(千島列島、日本列島、琉球列島、伊豆・小笠原諸島)から成り立っていて、太平洋の西部にある島国である。日本海を挟んでロシア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、大韓民国(韓国)と隣り合っている。東シナ海を挟んでは中華人民共和国(中国)および中華民国(台湾)]と隣り合っている。また、南側で太平洋〈フィリピン海〉を隔てて米領北マリアナ諸島と隣り合っている。

日本の周辺は全て海であり、島国である。そのため他国と陸上において接していない。周辺は海であるが、樺太が日本本土から43キロメートル[8] の位置にあり、ロシアが日本から一番近い他国の領土である[8]。

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経度と緯度から見た位置

日本の端を緯度経度によって示す。

最東端

東京都 南鳥島(北緯24度16分59秒 東経153度59分11秒 / 北緯24.28306度 東経153.98639度)

ロシア占領下で帰属未定地の千島列島占守島 を最東端とする意見もある。

最西端

沖縄県 与那国島西崎(北緯24度26分58秒 東経122度56分1秒 / 北緯24.44944度 東経122.93361度)

最南端

東京都 沖ノ鳥島(北緯20度25分31秒 東経136度4分11秒 / 北緯20.42528度 東経136.06972度)

最北端

北海道 択捉島カモイワッカ岬(北緯45度33分28秒 東経148度45分14秒 / 北緯45.55778度 東経148.75389度)

北方領土を除く最北端は、北海道 稚内市 弁天島(宗谷岬)(北緯45度31分35秒・東経141度56分27秒)

ロシア占領下で帰属未定地の千島列島阿頼度島 最北埼(北緯50度55分30秒・東経155度32分)を最北端とする意見もある。

周辺の海洋

排他的経済水域については現在[いつ?]韓国および中国と係争・協議中である。海岸線は堆積・浸食・埋め立てなどにより常に変動しており、決まった値にはならない。

排他的経済水域 : 海岸線から 200 海里(マイル)。ただし、日本海、東シナ海の全域、千島列島東端、先島諸島、小笠原諸島南端では他国と協議した上での中間線を境界としている。→東シナ海ガス田問題も参照。

領海 : 海岸線から 12 海里。ただし、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡西水道および東水道、大隅海峡の5つの国際海峡については 3 海里としている。

海岸線 : 全長 33,889 km (海上保安庁調べ)

海外領土・自治領

現在の日本にはいわゆる海外領土や自治領、実効支配している地域は存在しない。

面積 編集

領土 :377,929.99 km2(2007年国土地理院全国都道府県市区町村別面積調 [1] による)

領海 :3,091 km2

他地域との広さの比較

「国の面積順リスト」も参照

モンタナ州より僅かに狭い。ヨーロッパの国なら属領を含むノルウェーよりも狭く、ドイツより僅かに広い。アジアの国々と比べるとウズベキスタンやイラクよりもやや狭く、マレーシアやベトナムよりは広い。アフリカの国々ではジンバブエより狭くコンゴ共和国よりは若干広い。

人口 編集

詳細は「日本の人口統計」を参照

日本では、人口の5割が国土の14%ほどの平野に集中している。また、特に東京都、大阪市、名古屋市を中心とする地域(三大都市圏)に日本の人口の5割弱が集中している。このような人口の差により、過疎化・過密化といった問題が発生している。

また人口の変動においては、現在増加から減少に転じている大きな転換期にあり、「人口減少社会」が政治的・社会的に問題になりつつある。世代別では、第二次世界大戦後2回のベビーブームに生まれた世代が突出して多いほか、世界的に見ても65歳以上の高齢者の割合が高い(高齢化)。また出生率は年々低下し続けており、世界的に見ても15歳以下の年少人口の割合が低い(少子化)。

総計 : 126,925,843 人

男 : 62,110,764 人

女 : 64,815,079 人

(2000年国勢調査による)

地勢 編集

主要地形

山地が73%を占める。山間部に規模の小さな盆地が、沿海部に小規模な平野が広がっており、狭い平野や盆地に人口、耕地、都市機能、経済機能などが集中している。特に太平洋ベルト地帯には前述の都市機能や経済基盤などが集中している。そのため地政学的リスクが高く、1970年代から集中する機能を分散させる計画が持ち上がったが、未だに実行段階には達していない。ただし企業が本社を地方都市に移すなど、一部に分散の動きがある。

最低点と最高点 編集

最低点 :八戸鉱山 標高 約-160 m(地上の最低点)(露天掘り鉱山であり地形が変わる可能性が高いため概数)

最高点 :富士山(剣ヶ峰) 標高 3,776 m

河川と湖 編集

最も長い川 : 信濃川 - 367 km

最も流域面積の広い川 : 利根川 - 16,829 km2

最も広い湖 : 琵琶湖 - 670.33 km2

最も周囲長の長い湖 : 霞ヶ浦 - 249.5 km

最も深い湖 : 田沢湖 - 423.0 m

最も水面標高の高い湖 : 中禅寺湖 - 標高1,269 m(人造湖を含まずかつ4 km2以上のものの中で)

⇒ 河川については日本の河川も参照のこと。

⇒ 湖については日本の湖も参照のこと。

土地利用 編集

土地利用の内訳(2012年)

  森林 (66.3%)

  農用地 (12.0%)

  宅地 (5.0%)

  道路 (3.6%)

  水面・河川・水路 (3.5%)

  原野等 (0.9%)

  その他 (8.6%)

国土に占める森林面積の割合は、一人当たり年間所得が多い先進諸国と比べてかなり高いといえる。ただし、これは農地や宅地などに利用できない険しい山岳地帯が多いことも示しており、土地利用や都市計画などにおける制限は多い。

総面積 約37万8千 km2 の利用内訳 総務省統計局 国土の利用状況 による。

森林 : 66.3%

農用地 : 12.0%

宅地 : 5.0%

道路 : 3.6%

水面・河川・水路 : 3.5%

原野等 : 0.9%

その他 : 8.6%

(以上2012年の調査による)

民有地:162,549km2

うち宅地 : 15,858km2 (9.76%)

うち田 : 27,276km2 (16.72%)

うち畑 : 24,962km2 (15.36%)

うち山林 : 78,777km2 (48.46%)

自然公園面積 : 53,692.32km2

都市公園面積 : 998.41km2

(以上2003年の調査による)

灌漑面積 編集

「日本の農業」も参照

27,820 km2 (1993年の調査による)

海 編集

日本周辺の海はひとつに繋がっているが、東側および南側が太平洋、西北側が日本海、西側が東シナ海、北東側がオホーツク海である。世界的には伊豆諸島および小笠原諸島と南西諸島とに挟まれた海域はフィリピン海と呼称されるが、日本ではこの呼称は浸透していない。日本政府の公文書においても太平洋とされている。本州と四国に挟まれた海域は瀬戸内海と呼ばれている。

日本列島の南側を黒潮(日本海流)と呼ばれる暖かい海流が流れている。北からやってくる親潮(千島海流)が三陸沖から常磐沖でぶつかって好漁場をつくっている(潮目)。一方、黒潮の分流が対馬海峡から日本海南部〜東部に流れ込んでいる。これが対馬海流である。対馬海流は津軽海峡および宗谷海峡から太平洋に抜けているのだが、日本海側の気候に大きな影響を与えている。このほかには、間宮海峡から日本海北部にリマン海流が流れ込んでいる。

天然資源・主な産出物 編集

「鉱物の博物館」と形容されるほど大抵の鉱物を産出するが、商業化するには規模の小さすぎるものがほとんど。ただしコンクリートなどの原料になる石灰石は国内の需要以上を現在も産出し続けており、またヨウ素は世界でも有数の産出量を誇る。また日本では石油は採れないという認識が広く伝わっているが、日本海沿岸にはまとまった量の石油が埋蔵されて居り、盛んに採掘が行われた。しかし数十年前に採掘できる石油のほとんどを採り尽くしてしまい現在ではほとんどの地域で採算が取れない為、採掘が中止されているが、一部ではごく小規模な油田から地上に時々湧出する採掘できない原油は農産物などに被害をもたらし厄介者扱いされている。2003年度現在、液化石油ガスは、国内の需要の約33%。天然ガスは国内の需要の約3.5%を産出している。

古くは全国各地で金が産出され貨幣や物品、建造物などに使用されていた。これはマルコ・ポーロが、日本を「黄金の国 ジパング」と書き記したゆえんとも言われているが、江戸時代から明治時代にかけて海外に大量に流出し、現在ではそのほとんどがなくなっている。また、銀や銅、鉄なども金の場合と同様現在ではほとんど埋蔵されていない。しかし鉄を主とする金属精錬・加工の技術は現在も高水準を保ち続けており、輸入される金属資源によってそれらの技術が生かされている[9]。

海底資源に関しては金属鉱物はもとよりメタンハイドレートや天然ガスなどが大量に埋蔵されていることが確認されている。また、レアメタルに含まれる希少金属の埋蔵も確認されている。

農産物では、米を別としてほとんどの品目の自給率が100%を割っており、輸入なくして日本の食糧需要を賄うことは出来ない。

気候 編集

詳細は「日本の気候」を参照

日本の気候は、

島嶼であるため、全般に気温変化が穏やかで降水量が多い海洋性気候を呈する。

国土が長大であるため、南北で気温に大きな違いがある。

列島の中央を縦走する山岳地帯を境にして、太平洋に面している地域(太平洋側)と日本海に面している地域(日本海側)とで天候が大きく異なる。

中緯度の大陸東岸に位置するため、季節風(モンスーン)の影響を強く受ける。

という4つの大きな性質がある。

大陸であれば乾燥帯に入る中緯度に位置するが、島嶼であるため湿潤な海洋性気団の影響を受けやすく、降水量は概ね年間1,000mm以上であり、北陸・東海・紀伊半島・四国・南九州の外海沿岸部では2,000mmを超え、紀伊半島南東部では4,000mm近いところがある。また、暖流である黒潮や対馬海流、寒流である親潮が天候に影響を与える地域がある。

北海道と本州の山岳地帯の一部は亜寒帯、本州の大部分・九州・四国・南西諸島の北部は温帯、火山列島・南鳥島・沖ノ鳥島・八重山列島・多良間島・沖大東島は熱帯に属する。なお、温帯の中でも小笠原諸島・伊豆諸島・南西諸島北部・南九州などは亜熱帯と称される場合もある。年平均気温は札幌9℃、東京16℃、那覇22℃である。

典型的に用いられる大まかな気候区分では、北海道と本州の日本海側は日本海側気候とされ、冬季の雪と夏季に時折フェーン現象による高温が起こるのが特徴。北海道から九州にかけての太平洋側は太平洋岸気候とされ、夏期に降水量が多く冬季に晴天となるのが特徴。西日本の瀬戸内海沿岸は瀬戸内海式気候、本州の内陸部は中央高地気候で、それぞれ降水量が年間を通して少なく、中央高地式気候では更に気温変化が大きいのが特徴である。

冬は、シベリア高気圧からの冷たく乾いた北西季節風が強く吹く。この季節風は、日本海を流れる温暖な対馬海流により湿った風に変質して雪雲を生じ、それが山岳地帯にぶつかる日本海側の地域は雪や曇りの日が多い。新潟県や北陸地方の山間部は毎年2 - 3mの積雪があり、世界的な豪雪地帯として知られている。一方で雨蔭となる太平洋側は、晴天に恵まれるが「からっ風」と呼ばれる強風が吹き、空気の乾いた状態が続く。また時々、強い低気圧により荒天に見舞われることがある。

春および秋は、季節風の影響が弱く、移動性の高気圧や低気圧によって、周期的に天気が移り変わる。春一番や木枯らしなどに特徴づけられるように、低気圧や前線の通過に伴って季節の波が何度となく訪れ、寒暖晴雨を繰り返しながら徐々に季節が変わってゆく。

初夏から盛夏への過渡期には、梅雨前線と呼ばれる停滞前線の影響で南から順に「梅雨」と呼ばれる雨季が始まる(梅雨入り)。梅雨の時期は概ねしとしととした長雨が続き、時折まとまった大雨も起こりつつ、5月下旬から7月下旬にかけて1ヶ月半程度続く。なお、伊豆・小笠原と北海道では曇天が続く場合があるが長続きせず、梅雨はない。

梅雨が終わる(梅雨明け)と、本格的な夏となる。高温湿潤な太平洋高気圧によって安定した晴れが続く。例年7月中旬から9月上旬の晴天時には、内陸を中心に気温が上昇して広範囲で30℃を超える上、湿度も70%以上と高い。しばしば「高温多湿」と表現されるその暑さは、乾燥しているインドや中近東での摂氏30度よりも体感温度や不快指数が高く、体力を消耗させる。また、晴天の日でも夕方以降は、しばしば夕立と呼ばれる夏特有の雷を伴うにわか雨が降る。北海道や東北は比較的寒冷だが、夏の暑さと適度な雨が水稲作を可能にしており、品種改良の寄与もあって20世紀終盤からいわゆる「米どころ」となっているが、数年に一度のやませや長梅雨による冷夏の年には、冷害により稲が不作となる。

盛夏から初秋にかけての期間には、北日本や東日本を中心に「秋雨」と呼ばれる間欠的な雨期となる。また同時期に、本土では台風の襲来が増加する。なお、南西諸島では6月から10月頃まで長期間台風の襲来が多い。

日本家屋と呼ばれるような日本の伝統的な住宅は、夏の高温多湿や台風に適応するため、部屋を壁で仕切らず風通しを良くして涼を呼ぶようにつくられている。襖(ふすま)や障子という取り外し可能な建具を用い、床を高くして畳を敷いた床にしたのもこのような気候に対処するための工夫と考えられている。しかし、1960-70年代の高度経済成長期を境に伝統的な住宅は急減し、新築の建築物は壁と扉で構成されるものが圧倒的で、鉄筋コンクリート構造のものも多くなっている。加えて、住宅やオフィスで冷暖房を行った気密性の高い部屋に暮らすようになり、特に都市ではそれが当たり前になっている。こういった住宅環境の変化と都市の高密度化により、大都市や近郊ではヒートアイランド現象が発生していて、冬季の温暖化が顕著であるほか、夏の気温押し上げが問題となっている。

自然 編集

日本付近はプレートテクトニクスの考え方によればユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの4つのプレートがせめぎ合う境界域にあたり、造山活動が活発な新期造山帯(環太平洋造山帯)に含まれている。表土は最も古い岐阜県・長野県付近でも約2億4000万年前のもので、地質学的に見ても新しい地層である。

そのため火山の噴火が各地で度々発生するとともに、マグニチュード7から8クラスの地震を周期的に経験している。マグニチュード4クラスの地震に限って見てみるとほぼ毎日と言えるほど頻繁に発生していて、「地震大国」といえる。またプレートの動きに伴い、国土全体を縦横に活断層が走っており、都市を大地震が直撃することも多い。

しかし火山地帯であるがために温泉に恵まれていて、それらは大抵著名な行楽地となっていて国立公園や国定公園に指定されている。国土全体が火山の噴火や大陸移動、堆積作用などの活動で形成されたため険しい山地が多く、河川も短いため、各地で土砂災害が起こりやすい。

日本で多い災害

火山の噴火

地震、津波

熱帯低気圧や台風(6月〜10月)

洪水や土砂災害などの水害(梅雨や秋雨、台風のほか、夏の集中豪雨の際に発生する)

雪害(主に本州の日本海側)

冷害(数年に一度、夏の北日本で発生する)

環境 編集

日本は、四季の変化によって多彩な生物や自然に恵まれている。特に生物相の豊富さは優れており、多くの分類群において日本の種数はヨーロッパ全土や北アメリカより多い。たとえばシダ植物は日本に630種あり、これはヨーロッパ (152)、アメリカ合衆国とカナダ (406) よりはるかに多く、熱帯域にあるタイ、インドシナ三国にほぼ匹敵する。

しかし、明治以降の急速な工業化、高度経済成長などによって環境の悪化が著しい。日本は、高度成長期前後に大規模公害(四大公害病)を経験しており、公害対策は一定のレベルを満たしているものの、西欧諸国に比べると遅れているとされる。

また、高度経済成長期以降の食卓の変化や海外の農産品の輸入問題などさまざまな要因により、20世紀後半に農林水産業が急激に変化した。林業衰退による人工林の放置、環境変化や乱獲・密漁などによる漁業資源の減少などが大きな問題となっている。

生態系においても、明治時代以降外来種による生態系の変化が起こり、トキやニホンオオカミの絶滅に代表されるような生物多様性の低下が起こっている。また、ニホンザルやイノシシが市街地に出没するなど人間の生活への影響も出ている。

環境問題

自動車の排気ガスによる大気汚染

湖や河川の富栄養化

栽培漁業の過密化によって起こされている沿岸海域の富栄養化

外国から入ってくる動物、魚、昆虫、植物の爆発的な増殖によって脅かされる在来種の存続(生態系の破壊)

林業の衰退による人工林の荒廃⇒洪水の増加、生態系の崩壊

国際協定

二酸化炭素削減などを目標とした京都議定書を批准済み。

交通 編集

詳細は「日本の交通」を参照

高速道路、国道、都道府県道、各市町村の管理による公道、鉄道、航路や航空路が全国に整備されており、一部の離島や僻地を別とすれば交通の便には問題がない。

大都市では地下鉄などが市民の足となっている。特に東京の地下鉄はクモの巣のように張り巡らされている。

本州と四国の間は本州四国連絡橋で繋がれている。本州と北海道は青函トンネルで、本州と九州は関門トンネルと関門橋で連絡されている。

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