「寝る前にスマホを使ったほうが眠れる」「夜、お酒を飲んだほうが眠れる」など、本来であれば睡眠の質を下げてしまうはずの行動をしていても、「私の場合はしないと眠れない」という思い込みで行動を変えられない人がいます。
これは、行動が習慣化することによって、誤った認識を植えつけてしまっているため。こうなってしまうと、意図的に行動を変えて、習慣を絶ち切るしかありません。私たちの脳は、過去の「記憶」に基づいて行動する特性があります。たとえば、「眠れないとき」に、「スマホゲームをしたら眠れた」という出来事があったとします。
本来であれば、寝るときにスマホのブルーライトを浴びると睡眠の質は下がってしまいますが、たまたま眠れないときに、スマホゲームをしてそのまま眠った経験があると、脳は「スマホゲームをしたら眠れた」というひとつの記憶をつくります。そして、この記憶に基づき、また眠れないときにスマホゲームをしてウトウトして眠ると、さらに「スマホゲームをしたら眠れた」という記憶が強化されます。
これをしばらく続けると、脳が「スマホゲームをしたら眠れた」の記憶から「スマホゲームがないと眠れない」と情報を書き換えて認識することになります。最初は、「眠れない」だから「スマホゲームをする」という【思考→行動】の順だったところから「スマホゲームをする」だから「眠れる」という【行動→思考】の順に変わってしまうのです。